おはようございます。
Takatoraです。
今回の「Takatoraの戦術書を読む」では
「いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書」です。
この本を読んで感じたことかがあります。
それは、受験勉強と仕事において段取りはさほど違いはないってことです。
著者である水野学さんはgood design companyの代表を務めてらっしゃいます。
有名どころでは、「くまモン」「相鉄ブランドアッププロジェクト」
(相模鉄道。神奈川県横浜市あたり走っている私鉄です)のデザインをトータルに手がけています。
くまモンはご当地キャラクターですから、その誕生話を知るためだけでも本書は役立つのではないでしょうか。
そんな有名なデザインを手がけていますから、仕事が何十件も同時並行して進んでいるそうです。何十件って、、
かなり大変そう。だけど仕事できそう!
そして、この仕事量を順調にこなすために「段取り」が大切であると言っています。
「段取り」とは「ルーティン化する」ということ
「はじめに」で、結論が出ちゃってますね。
たしかに段取りがルーティン化すれば、全自動で体が動くから無駄な動きが無くなりスムーズに仕事が進みそうですね。
誤解をおそれず言えばこの人、どんな仕事も全部同じだと思っているそうです。
受験勉強に置き換えたら、「どの科目も基本的な作業は全部同じ」だと言うことです。
この人は「クリエイティブコンサルタント」や「クリエイティブディレクター」の肩書きで、クリエイティブという言葉が入ってるのにも関わらずルーティンだと言っているので、かなりインパクトありますよね。
クリエイティブと肩書きが入っている人が「仕事はルーティンだ」って言ってたら、その他の仕事なんてルーティン以外の何者でもないでしょう。
仕事を「やりとげる」ために段取りをしよう
この言葉の裏には責任という思いが見え隠れします。
私Takatoraも同じです。
しっかりと公務員試験合格と題してブログを作成しているのですから、ブログ記事を書く前に、記事構成を考えたり、情報収集などをしっかりして「やりとげる」ことに意識を置いています。
どんなにいいアイデアでも、どんなに素敵なデザインでも、かたちにして世に出さなければ意味がない。
当然、お金にもならない。「やりとげる」ということはとても大切なことなのです。
シビアな世界で生きているからこそ出る言葉ですね。
めんどくさがりやこそ「段取り」をしよう
「え?段取りってそもそもめんどくない?」と思う人もいるかも知れません。
段取りってしたほうが、結果面倒くさくならないんです。
それはなぜか?
段取りなしに行う仕事や勉強は確実に効率が悪いです。
段取りという手間と時間をかけさえすれば、その後にめんどくさい場面に出くわすことがないのです。
私もめんどくさがりやなので、この文は「なるほどな!」と思いました。
みんなが夢をもてるような「コンセプト」を
仕事において目的地を決めたら、目的地までの地図を描く必要があります。
仕事ではそうですが、目的が全然面白くないと仕事のモチベーションって上がらないんですよね。
よく目的を掛け違えているケースがあります。
たとえば、「この協議会を無事に運営する」とかです。
目的はこの協議会を通して何を実現したいのかなのに、こういったケースって結構多いですよね。
企業も夢を持つべきなのです。
これはそのまま公務員においても当てはまると思います。
自治体職員も夢を持つべきです。今年はNHKで「西郷どん」が放映されています。
ドラマなので演技だというのは分かりますが、明治政府を樹立したばかりの志士たちはきっと素晴らしい国をつくるんだという「大きな夢」を持っていたでしょう
今年で明治維新150年の節目の年ですが、その大きな夢は今も持ち続けるべきです。
話を戻して目的地について。公務員試験においても目的地を誤ってはいけません。
「公務員試験に合格する」は目的ではありません。
「公務員になってなにを実現したいのか」または、「公務員という仕事を通してこんな自分になりたい」が目的であるはずです。
「完成したら世に出す」のではない。「締め切りが完成」である
この言葉はシビアですね。私も肝に銘じます。
この言葉はグラフィックデザイナーの仲條正義さんがおっしゃったそうです。
社会で働く以上、締め切りは必ずあります。
公務員試験だってそうです。
試験日は決まっています。
誰しも試験日は平等に同じですから、「忙しくて勉強できなかった」と言い訳は通用しないです。
残酷ですが。
一度に複数の案件のことを考えない
水野学さんもマルチタスク反対派です。
「良かった!私と一緒だ」
でも、水野さんはいつも何十件という案件を同時並行して進めています。それなのにマルチタスクをせず、一体どのように進めているのでしょうか。
ぼくは「今日の午前中の時間ボックスに『相鉄の制服について考える』というコマを入れた」という場合、午前中は、他のことはいっさい忘れて、相鉄の制服について「だけ」を考えます。
その間、「ああ、あの蔵元のパッケージはこんな感じがいいかな」と別の仕事について思い浮かぶのは雑念とみなし、ひたすら「相鉄の制服」に集中する。
そして、別のコマが入っている時間になったら、「相鉄の制服」についてはパッと忘れてしまいます。
これはぼくが不器用で、複数のことを考えていると集中できないせいでもあります。
すごい徹底してますね。
私だったらふと思い浮かんだら、殴り書きでもいいので紙かスマホにメモします。
もったいないので。
「マルチタスクとこなす」いうのは「同時に仕事をこなす」という意味ではなく、「ひとつの仕事に集中し、他の仕事に移っていくこと」なのです。
おわりに
以上、本のなかからほんの一部を抜粋して紹介しました。
くまモンを生み出せたのも納得です。
くまモンも初めは、ゆるキャラをつくるありきでつくったわけではなかったのです。
初めは九州新幹線開通に合わせて「熊本の魅力を発信しよう」という提案から始まったんです。
そして当初はゆるキャラではなく、「ロゴ」を考えていたようです。
でも、ロゴシールが貼ってあるスイカやトマトを見て、「買いたい!」と思うでしょうか?水野さんは「うまくいくか」をしっかり疑うんだそうです。
そして「ロゴじゃだめだ」となり、いろいろ検討して「くまモン」が出来上がったんだそうです。
段取りについて何が一番大切なのか水野さんはこう言っています。
本書は質の高い仕事を早く進めるための「段取り」についてお話してきました。
そのなかでも、段取りにおいて何が一番大切か?
そう聞かれたらぼくは「想像することだ」と答えるでしょう。
段取りをするとき始めに行うことは目的地を決めることです。
その目的地は前述したとおり「夢」をもったものにすべきです。
くまモンにしてもそうです。
くまモンを考えたときも「こんなキャラクターが熊本をPRしてくれたら楽しいだろうな」という想像をしました。
頭の中では、くまモンが軽やかに踊っていて、子どもたちを喜ばせている絵がありありと浮かんできました。
〈参考文献〉
水野学『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』ダイヤモンド社、東京都、2018年