こんにちは!
Takatoraです。
今回は芸術についてです。
1、どこまでの芸術が出題されるか
芸術ってなんともつかみ所のない科目ですよね。
今までだったら、計算方法を頭に叩き込むとか、毎日の積み重ねが大事とか、「THE勉強」だったわけですが、芸術はなんか勉強と言われても違和感ありありです。
さて、そんな芸術ですが、出題範囲はかなり広いです!広すぎるので、さらっと勉強するのがコツです。
2、日本の芸術
流れ重視でさらっと書きます。
①日本古典文学(奈良時代)
・古事記 現存する最古の歴史書
・日本書紀 6冊のの国史(六国史)のうち最初の歴史書
②和歌から俳句・短歌まで
【和歌】
万葉集 奈良時代後期 柿本人麻呂など 素朴で雄大で男性的な詩
古今集 平安時代初期 小野小町など 技巧的で可憐で女性的な詩
新古今集 鎌倉時代初期 幻想的で繊細で象徴的な詩
↓和歌が衰退。明治時代から短歌へ移行された。
↓
【連歌】上句と下句を次々に重なていくもの
無心連歌 滑稽重視
山崎宗鑑など
有心連歌 貴族的→衰退
二条良基、飯尾宗祇など
無心連歌
↓
【俳諧】5・7・5
貞門俳諧 松永貞徳など 俳諧を独立したジャンルとして確立させ、形式的な言語遊戯に傾く。
↓
談林俳諧 西山宗因など マンネリ化した貞門俳諧に対抗し、軽妙で洒脱で斬新奇抜な表現をする。
↓
芭蕉俳諧 松尾芭蕉など 自然詩としての俳諧を主張し、俳諧が本格的な芸術に高められた。
↓
天明調 与謝蕪村など 芭蕉復帰運動の中心人物。南画家としても活躍し、客観的で絵画的な作風。
↓
文化・文政調 小林一茶 職業的俳諧師たちの月並調の多い中、異彩を放っており、庶民的な作風。
↓
【俳句】俳諧から呼び名が変わった。
正岡子規 雑誌ホトトギスで写生を重視し、「万葉集」の価値を認める。
↓
自由律派 川東碧梧桐など→種田山頭火など
定型律派 高浜虚子など→山口誓子など
俳諧
↓
【短歌】
正岡子規
↓
伊藤左千夫
↓
斉藤茂吉
また、落合直文から
↓
与謝野鉄幹
↓
与謝野晶子
石川啄木
北原白秋
③日記・随筆
日記とは、元々は貴族男性が公的な記録として漢文で残したものです。平安時代に日記が文学として発達しました。
土佐日記 作者は紀貫之 自身が赴任した土佐から京まで帰る船旅55日間の詩などを交えて綴った日記。旅に同行した女性の視点で綴られている。
蜻蛉日記 作者は藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは) 藤原兼家との結婚生活などを綴った初めての女性日記
和泉式部日記 作者は和泉式部と思われる 宮中における恋愛体験が描かれた日記
紫式部日記 作者は紫式部 一条天皇の中宮彰子に仕えていた頃を綴った日記。清少納言たちの人物評なども描かれている。
更級日記 作者は藤原道綱母の姪である菅原孝標女(すがわらたかすえのむすめ) 回想録。源氏物語に憧れた少女時代などが語られる。
十六夜日記(いざよいにっき) 作者は阿仏尼(あぶつに) 鎌倉時代に成立した日記。息子の土地相続について鎌倉幕府に訴えるため、京から鎌倉へ向かう旅を綴った紀行文。
枕草子 作者は清少納言 平安時代中期に成立 中宮定子に仕えた宮中での生活を中心に、自然や人生などについても綴られている。「をかし」の文学。三大随筆の1つ。
方丈記 作者は鴨長明(かものちょうめい) 鎌倉初期に成立した随筆。出家後、隠居生活をする中で書かれた。災害などの様子など戦乱などの多い当時の世相を反映した無常観が表れている。
徒然草 作者は吉田兼好 鎌倉時代末期の随筆 仏教的無常観が根底に見られ人生訓のような内容が多い。
④物語・説話
2つの流れをおさえましょう。
1つ目は平安時代はフィクションと歌物語の2つの流れが統合するように源氏物語が成立した流れ。
2つ目は平安時代末期から鎌倉時代にかけて、藤原道長の栄華を題材とする歴史物語、戦乱の世を題材とする軍記物語、仏教説話から説話文学が生まれた流れ。
【物語文学】
竹取物語 作者不明 現存最古の伝奇物語
伊勢物語 作者不明 男女の愛情話が多い。歌物語のジャンルを開いた最初の作品。主人公は在原業平といわれる。
源氏物語 作者は紫式部 主人公の光源氏の一生と、光源氏死後の子どもたちの時代を描いた。
【歴史物語】
栄華物語 藤原道長の栄華を昔懐かしい風に綴った最初の歴史物語。編年体で書かれている。
大鏡 藤原道長を中心とした宮廷生活の歴史が、人物ごとにまとめられた紀伝体。大鏡以下に作られた歴史物語「今鏡」「水鏡」「増鏡」を合わせて「四鏡」と呼ばれる。
今昔物語 作者不明 「天竺(インド)」「震旦(中国)」「本朝(日本)」の三部に分かれ、それぞれの国に関連する物語が収められている。
宇治拾遺物語 作者不明 今昔物語など他の説話集と同じ話も多く収められている。当時の民間伝承などから直接採用したような説話もある。
古今著聞集 作者は橘成季(たちばなのなりすえ) 勅撰集に習った構成
【軍記物語】
平家物語 平家一門の栄枯盛衰を描いた物語
太平記 北条氏の滅亡から南北朝時代の動乱を経て、室町幕府が成立するまでを描いた三部作。
③伝統芸能
【能】
鎌倉時代から室町時代にかけて成立。
足利義満の庇護を受け、世阿弥によって大成する。
夢幻的な歌舞劇・仮面劇で、古典を題材としたものが多く、悲観的な内容が多い。
主役をシテ、脇役をワキという。
【狂言】
鎌倉時代から室町時代にかけて成立した。
能と能の合間に演じられる現実的・写実的な寸劇。
基本的には面をつけずに対話と独白で進行する。
滑稽、軽妙、皮肉が特徴。庶民性強い。
【浄瑠璃(文楽)】
江戸時代に成立。
人形、語り、三味線の三要素からなる人形劇。
近松門左衛門以前のものを古浄瑠璃と呼ばれる。
竹本義太夫の音曲、近松門左衛門の詞章によって大成された。
人形浄瑠璃は江戸末期もっぱら文楽座で上演され、その座の名をもって「文楽」とも呼ばれる。
近松門左衛門の作品には「曽根崎心中」など。
【歌舞伎】
江戸時代に成立。
台詞や筋書き重視の舞台劇。
阿国歌舞伎から野郎歌舞伎へ発展した。
役者では坂田藤十郎と市川団十郎が有名になった。
4代目鶴屋南北が活躍し、「東海道四谷怪談」が人気になった。(化政文化)
④国学
江戸時代に国学が盛んになりました。
万葉代匠記 契沖 万葉集の全歌について注釈を加えた。
万葉考 賀茂真淵 万葉集を五期に分けて、各歌人を批評している。
古事記伝 本居宣長 古事記の研究と古楽の道を明らかにした。
⑤近代文学
色んな主義、派をグループ分けしてサラッと覚えましょう。
写実主義 外国の写実主義を範として人間の心理を描き出す文学を目指した。
坪内逍遥 江戸文学の勧善懲悪思想を文学から排除することを主張
二葉亭四迷 小説「浮雲」を執筆
擬古典主義 欧化主義に反発。近世小説である井原西鶴の文学を範とした。
尾崎紅葉 多情多恨、枷羅枕(きゃらまくら)、金色夜叉
幸田露伴 五重塔
浪漫主義 雑誌「文学界」の若者たちが主役
北村透谷 評論「内部生命論」
島崎藤村 若菜集
樋口一葉 たけくらべ、にごりえ、十三夜
森鴎外 舞姫、うたかたの記、文づかい
自然主義
永井荷風 地獄の花
島崎藤村 破戒、春、夜明け前
田山花袋 蒲団、田舎教師
徳田秋声 新世帯(あらじょたい)、黴(かび)
高踏派 自然主義を批判
森鴎外 青年、雁、阿部一族、高瀬舟
夏目漱石 三四郎、それから、門、彼岸過迄、こころ、明暗
耽美派 享楽や美を至高とする文学
永井荷風 あめりか物語、ふらんす物語
谷崎潤一郎 源氏物語の現代語訳、刺青、春琴抄、細雪(ささめゆき)
白樺派 雑誌「白樺」を拠点とするグループ
武者小路実篤 お目出き人、友情
志賀直哉 城の崎にて、暗夜行路
有島武郎 カインの末裔、或る女
新思潮派 雑誌「新思潮」を拠点とする東大系のグループ
芥川龍之介 羅生門、鼻
菊池寛 恩讐の彼方に
山本有三 路傍の石
三田派 耽美派に影響を受けたグループ
佐藤春夫など
奇跡派 日常生活の考察に徹する
広津和郎など
プロレタリア文学 マルクス主義
葉山嘉樹 セメント樽の中の手紙
小林多喜二 蟹工船
徳永直 太陽のない街
モダニズム文学 プロレタリア文学と対立して展開
新感覚派 現実の破片を感覚的にとらえ、それを知的に再編成することによって生命感を表現しようとした。
川端康成 伊豆の踊子、雪国、山の音
新興芸術派 反マルクス主義と芸術の自律を主張
井伏鱒二 山椒魚、黒い雨
新心理主義 心理的リアリズムを主張
堀辰雄 風立ちぬ、聖家族、菜穂子
⑥日本美術
横山大観 生々流転、屈原
高橋由一 鮭 初めての洋画
浅井忠 春畝
黒田清輝 読書、湖畔
青木繁 わだつみのいろこの宮 早世された
岸田劉生 麗子像
竹久夢二 黒船屋
3、海外の芸術
①外国文学
一気にいきます。
ロマン主義 古典主義に対抗し内的な自然的衝動を重視
フランス
ユゴー「レ・ミゼラブル」
ドイツ
ゲーテ「若きウェルテルの悩み」
ロシア
プーシキン
写実主義 現実社会をありのままに描こうという主義
イギリス
ディケンズ「クリスマスキャロル」
フランス
スタンダール「赤と黒」
トルストイ「戦争と平和」
チェーホフ「桜の園」
アメリカ
トウェイン「トムソーヤの冒険」
20世紀の外国文学
フランス
ロマン・ロラン「ジャン・クリストフ」
プルースト「失われた時を求めて」
カミュ「異邦人」「ペスト」
ドイツ
トマス・マン「魔の山」
ヘッセ「車輪の下」
カフカ「変身」
イギリス
ジョイス「ユリシーズ」
ロシア
ゴーリキー「どん底」
ショーロフ「静かなるドン」
アメリカ
ヘミングウェイ「武器よさらば」「老人と海」
スタインベック「怒りの葡萄」
サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」
②建築・絵画
年代の古い順から並べていきます。
(紀元前8世紀頃)ギリシア美術
↓
(紀元前後)ローマ美術
↓
(5世紀〜)ビザンチン美術
↓
(11世紀)ロマネスク美術
↓
(12世紀)ゴシック美術
↓
(15世紀)ルネサンス美術{古典の復活}
↓
(17世紀)バロック美術
↓
(18世紀)ロココ美術
↓
(18〜19世紀)新古典主義(絵画)
↓
(19世紀)ロマン主義(絵画)
↓
写実主義、自然主義
印象派
↓後期印象派
↓
フォービズム
キュビズム
エコール・ド・パリ
抽象派
素朴派
ダダ
未来派
形而上派
未来派
↓
シュールレアリスム
②音楽
古典派
ベートーヴェン 英雄、運命、田園、月光
ハイドン 天地創造
モーツァルト フィガロの結婚、魔笛、ジュピター、レクイエム
ロマン派
ヴェルディ 椿姫、アイーダ
プッチーニ 蝶々夫人、トスカ、トゥーランドットシューベルト 冬の旅、野ばら
ショパン 子犬のワルツ、雨だれ
リスト ハンガリー狂詩曲
チャイコフスキー 悲愴、白鳥の湖、くるみ割り人形
4、芸術は一石二鳥だ!
実はこの芸術。プライベートと両立できます。
単刀直入に言うとデートです。恋人とデートすればいいんです。
美術館・博物館・コンサートなど、芸術のある所へデートにいきましょう。
私は計3回(2.5回)、このデート勉強法を実践しました。
1回目は乃木坂にある国立新美術館と六本木方面へ向かう山種美術館へ行きました。彼女は絵よりもデートそのものを楽しんでくれました。(多分)
2回目は国立新美術館と岡本太郎記念館へ行ってきました。「どうやって描くのか」とか、「ここの表現の仕方が難しいんだ」<とか教えてくれた記憶があります。
3回目は東京都美術館へ行きました。ドタキャンされたので音声ガイドヘッドホンを装着し1人でスーラの点描画を見ました。1人でむなしい思いをしたお陰で、「グランド・ジャッド島の日曜日の午後」は二度と忘れなくなりました。
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