こんにちは!
Takatoraです。
今回は人文科学の地理についてです。
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地理は世界最古の学問と言われます。(ネット調べ)
地球ができてから地は存在するからです。当たり前ですが。
1、出題頻度及び難易度
この地理も、世界史や日本史と同じく、都道府県庁では簡単な問題、国税専門官では少々難しい問題となっており、出題頻度は都道府県庁で1問、国税専門官では2問程度です。公務員の教養試験にコスパを求めるのは諦めましょう。
2、都庁模試
それでは、実際の問題を使って見ていきましょう。
世界の農業大国に関する記述として正しいのはどれでしょうか。
①アメリカ合衆国ではアグリビジネスが発達するとともに適地適作が見られる。五大湖周辺のグレートプレーンズと呼ばれる地域で小麦栽培が行われ、ミシシッピ川流域の地域で起業的牧畜によって酪農がおこなわれている。
②オーストラリアでは主に北西部で牧牛や牧羊が行われ、大鑽井盆地ではその中央を北から南に流れるマレー川の灌漑によって小麦の栽培が盛んに行われている。また大鑽井盆地には首都キャンベラなど同国の大都市が集中している。
③西欧で最も人口が多いフランスは、小麦などの農産物の輸出国である。同国の中央を流れるライン川流域で小麦生産、地中海沿岸のポルダーで園芸農業が行われている。また、同国南部のピレネー山脈では伝統的な農法である移牧が見られる。
④ロシアでは、旧ソ連時代にソフォーズやコルホーズによる集団農業が行われていたが、現在は肥沃な黒色の土壌であるチェルノーゼムが分布している地域で小麦の生産などが行われており、同国は小麦の輸出国である。
⑤中国は黄河地域で稲作、長江地域で畑作がさかんに行われている。また、同国では少数民族の自治区が設置されており、新疆ウイグル自治区の住民の多くは仏教徒のウイグル人で、古くからヤクの放牧が行われている。
今回は、世界の農業についての出題です。
一つの設問に対して、2,3個の文があってそのどれかが間違っているという形式ですね。
答えは④です。それでは一つ一つ解説していきましょう。
①→アグリビジネスの発達と適地適作は正しいです。しかし、グレートプレーンズは五大湖周辺ではなく、ロッキー山脈の東部に広がっている平原地帯で、企業的牧畜が行われています。
②オーストラリア北西部は乾燥地帯ですので、農業に不適(小麦NG)であり、大鑽井盆地では牧畜や牧羊がさかんに行われています。マレー川は大賛成盆地の中央部ではなく、その南側を東から西に流れており、その流域では小麦が栽培されています。また、首都であるキャンベラは東海岸約100キロに位置しており、大賛成盆地の中にあるわけではないです。
③西欧で最も人口の多い国はドイツです。また、ライン川はフランスのアルザス地方の東端を流れており、フランス中央を流れているわけではないです。ポルダーとは、オランダにある干拓地を指す言葉で、移牧が行われているのはスイスです。
④旧ソ連時代は集団農業が行われていましたが、ソ連崩壊後に集団農業はなくなりました。また、ロシア南部や隣国のウクライナではチェルノーゼムという黒色の肥沃な土壌のために小麦の生産がさかんに行われています。
⑤稲作は長江地域、畑作は黄河地域でさかんに行われています。一般的に稲作地帯は畑作地域よりも気温が高く降水量が多い地域にあり、長江は黄河よりも南にあるため、長江の方が高温多雨です。また、新疆ウイグル自治区に住むウイグル人の多くはイスラム教徒で、ヤクが飼育されているのはチベットです。
以上のように文章の間違い探しのような問題が多いです。
3、国税専門官の模試
続いては国税専門官の試験です。
世界史や日本史と一緒で、背景知識を問う問題です。
各国の宗教、民族、言語に関する記述として、妥当なのはどれでしょうか。
①カナダはイギリス連邦に加盟しているイギリスの旧植民地だが、ケベック州にはフランス語を話す住民が多数存在している。そのため、カナダは連邦制を採用し、英語とフランス語の両方を公用語としている。
②ブラジルは、ほかのラテンアメリカ諸国同様に、国民の多くはカトリックでスペイン語が公用語である。また、ブラジルは、「人種のるつぼ」といわれるほどに人種間の混血が進んでおり、白人とインディオの混血であるムラートが多数を占めている。
③大陸欧州では同じ国に宗教や言語が異なる複数の宗教の間で対立が生じる国が多く、その典型例とされるベルギーでは、プロテスタントでゲルマン系言語を話すフラマン人と、カトリックでラテン系言語を話すバスク人の対立がみられる。
④シンガポールはイギリスの旧植民地で、国民の多くはマレーシアと同じマレー系だが、マレー語ではなく英語が公用語であり、植民地時代に積極的な布教が行われたため国民の90%以上がカトリックである。
⑤オーストラリアは白人が多数を占めるものの、同国ではマオリと呼ばれる華人が人口の約20%を占める。また近年では、原住民アボリジニの地位向上を図るためブミプトラ政策が推進され、多文化主義国家となっている。
地理の守備範囲はとても広く、宗教などの歴史も少しかんでいるような問題が出題されています。
正解は①です。
①ケベック州ではカナダからの独立運動がみられますが、カナダ政府はそのケベック州に配慮して、連邦制の採用、フランスの公用語化を行っています。
②ブラジルはポルトガルの植民地だったため、ポルトガル語が公用語です。また、白人とインディオの混血はメスチソといいます。ムラートは白人と黒人の混血です。南アメリカ大陸各国の言語は、植民地にされた国の言語が公用語になります。大航海時代当時は、ポルトガルとスペインの勢力が大きかったことから、両国の公用語ばかりとなっています。
③ベルギー国民のほとんどはカトリックです。また、オランダ語に近いゲルマン系言語を話すフラマン人と、フランス語に近いラテン系言語を話すワロン人がいて、両者に対立があります。ちなみにバスク人とは、スペイン北部や、フランス南西部に移住している少数民族で、彼らは独自の言語を話している。人種でひっかけさせる問題は出題者の立場からすると、非常に作りやすい問題です。そのため、ここで引っかからないように対策をしてください。
④シンガポールの役75%は華人。同国の公用語は英語、中国語、マレー語、タミル語です。
⑤マオリとは、ニュージーランドの原住民で、オーストラリアに多数居住しているわけではないです。また、ブミプトラ政策は、マレーシアでマレー人の地位向上のために行われている政策です。政策名は時事と関連し、なかなか解きづらいので、この設問は、マオリで判断する必要があります。
4、地理を効果的に勉強するには
地理ってまともに勉強すると範囲が膨大で、どうやって攻略すればいいのか悩みますよね。
各都市の特徴から各国の産業まで、多種多様な問題が出題されます。
そこで私の行った勉強法は以下の2つです。
①トイレで大冒険
「なんてできるわけねえだろ」と思いますが、お手洗いの時間って年間通算すると結構な割合を占めています。
この時間を生かして勉強をします。トイレに100均で買った世界地図(メルカトル図法でもなんでも)を貼り、各国・各都市に中国の輸入量トップ3とか、カリフォルニア州の代表的な産業だとかを付箋でベタベタ貼り付け、毎トイレごとに覚えていきます。
これで毎日10分は勉強できるのではないでしょうか。
1日の勉強時間は少なくとも、1週間で1時間、1ヶ月で4時間にもなります。
私は妄想癖強めなので、世界地図を見ながら自分がまさにその場所にいて大冒険しているイメージをついしてしまい、トイレ時間が長くなりがちになりましたが。
スクリーンマップ 世界全図 卓上版 (ポスター 地図 | マップル)
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②新・光速マスター人文科学
はい、これはかなりベーシックです。
赤い下敷きでワードを隠して覚えるものです。
ただ、私はベーシックは最高の勉強法だと思います。ベーシックな勉強法は、色々な人が試行錯誤したなかで万人に受け入れられ残っているものですから、きちんと成果につながります。
地理だけではなく、日本史、世界史、思想、文学・芸術にも有効です。
私は、これで勉強しました。
〈参考文献〉TAC『都庁1類B模擬試験」『国税専門官模擬試験』2014年